狡いよ、きみは。
――――!!
聴こえる。聴こえるよ。ねえ、あと少しだから。だから、もう少し待っていて。あと少しで、また会えるから。
「…――!!!!」
「…っ、ぅあ…」
目の前に広がるオレンジには瞳を瞬かせた。見覚えのあるオレンジ。自分の大好きな色。ああ、この色の持ち主は。
「いちご…」
「!」
ああ、自分は戻ってきたのだ、あの無の世界から。しかし、頭が朦朧としているせいか実感が持てない。
自分は一護の側にいる、という確信が欲しくて、一護に向けて手を伸ばす。伸ばされた手はしっかりと握られて、
もう離れることがないようにと、しっかりと絡められた。一護から伝わる彼のぬくもりに、全身が安心感で包まれる。
ようやく身体が緊張感から解放されたように、力が抜けたようだった。ああ、彼は、生きている。無事なのだ。
「大丈夫か?どっか、痛いとことかないか?」
「ん、へーき…それより、一護は、昨日、あの後」
「――ああ…」
自分の問いに気まずそうに笑みを浮かべた一護には眉を顰めた。
「…一護?」
「、俺さ……」
死神のシゴトを手伝うことになった。
お前とウチの連中を護るためにどうすればいいかって考えたら、その選択肢しかなかった。
――――――そんなこと言われたら、何にも言えなくなるじゃない。
一護の言葉に、が顔をくしゃりとくずしながら微笑んだ。