ドリーム小説


  例えばの話だけれど


  『竜也はあたしと仕事、どっちが大切なの?』
 

  そんな言葉を紡ごうものならきっと、竜也は一瞬にしてあたしに対する興味を失うだろう、あたしという存在を視界から消そうとするだろう

  そうして人ではなく物を見るかのような虚ろな眼差しであたしを見るのだ、何の感情も宿さずに

  竜也は自分の仕事に誇りを持っている

  だからこそ、それに気付かずに、寂しければ泣き、会えなければ怒るようなそう、束縛しようとする女を、竜也は一番嫌う

 
 「ねえ、竜也」

 「ん?」

  
  分かってる、分かってるよ、そんなこと

    
 「竜也は、さ」

 「…?」


  けれど、誰よりも貴方を束縛しようとしているあたしを、どうか許して

  心の内に巣くう醜い感情が、いつか貴方を覆ってしまう前に



 「あたしと仕事、どっちが大切なの?」




  ゲ ー ム オ ー バ ー




  何かが崩れ落ちる音

  それはいつしかメロディーとなってあたしの鼓膜を震わす

  耳を傾けながらあたしは、最後の時が訪れるその前に、愛してやまない竜也の姿を目に焼きつける