ドリーム小説
「たたたたたた竜也さん!」
「ん?何?(どうして敬語?)」
「あ、貴方、今何をしましたか!」
「ショートフックだけど、ちなみに俺の得意技ね」
あまりにも突然の出来事に、言動が可笑しくなってしまったようで
声は上擦り、言葉は何故か丁寧語に変化してしまい
今のこの状態にあたしがこんなにも焦っているというのに、竜也は顔色一つ変えずにいて
彼は前を向いたまま、少しものことを見ようともせずに足早で歩いていく
所詮は男と女であるから、すらりと長い足を持つ竜也の早歩きに当然ついていけるわけがなく、何度もころびそうになってしまうのは当たり前のこと
けれども、地面と顔がキスするこがなかったのは、彼があたしの腕をしっかりと掴んでいたからだ
その掴まれた腕は、顔を顰めてしまうほどに強く
「あ、あんた今自分が何をしたか分かってるの!」
「に絡んできた男を殴った」
「アイドルは暴力を振るっちゃいけません!」
「アイドルより以前に、俺はの彼氏なんだけど?」
自分の女が自分以外の男に絡まれているのを見て、冷静でいられると思う?
歩く足を止めて、振り返る
ひっそりと細められた竜也の瞳に、ぞくりと体を震わせて
瞳の奥に秘められた、竜也の、男の性を垣間見た気がして、全身に血が回り過ぎてしまったかのように体温が熱くなる
そう、まるで彼に抱かれているのではないかと錯角してしまいそうな
「まあ、でも」
が無事だったんだから、結果オーライじゃない?
先程の雰囲気とはうって代わって眩しい笑顔を向ける竜也に、あたしは地面を蹴って抱き着いて、キスを強請った
もうほんっと、適わないな
それは、猛獣みたいなキスで、とても気持ち良くて、くせになってしまう、と思わせるかのような(ああ、ほんとに適わない)