006 Acqua in bocca

内 緒 だ よ









ってどの子!!!!?」


また私の指名か・・・。まったく勘弁して欲しい。とゆっくりと教室のドアを見てみると。そこにはあの時以来まったく姿を見せていなかったリウ君が息を切らせてそこに立っていた。



「・・・・ほんっとゴメン!!!!!!!」
「もういいってば、」



地面に頭が付いてしまうくらいに深く。腰を90°に曲げて勢い良く頭を下げたリウ君に何だか申し訳ない気持ちでいっぱいになった。


「ほんっとゴメン!俺、記憶ぶっ飛んでてシャバックから聞いてビックリして・・・!ま、まさか血を舐めt「も、もういいってば!」


お願いだから思い出させるな!あの時の光景がまるでフラッシュバックのように頭に鮮明に蘇る。指先を舐めるリウ君の姿や。指と指ををつたう舌の感触すべてが。唇についた赤い血を舌でゆっくりと舐め取る仕種とかが、鮮明に。 うわ、うわ、うわ。 今の自分はきっと血が通い過ぎてしまったかのように真っ赤だろう、とは思った。  本当に、ごめんな。  私の様子に構うことなくリウ君はそっと手に触れてきた。今ではもう、うっすらと細い線になってしまった傷跡をそっとなぞって。 ごめん、ビックリしたよな。 ともう一度申し訳なさそうに笑った。 
・・・・始めて会ったときから思っていたけれど、リウ君は陶器のような白い肌をしている。まるで女の子のように白く、透き通った肌。女の子から見たら羨ましがるような肌の色だけれども、私にはそれが異常に見えてしまう。そう、それはまるで人間ではないかのような・・・・ 私の血を舐めたときの あの リウ君の 紅い瞳が 脳裏に蘇る。


「・・・・ねえ、リウ君」
「ん?」
「謝まる代わりに・・・一つ教えて欲しいの」






ねえ、貴方は人間ですか?





そう問えば。リウ君は困ったように やっぱり分かっちゃうよな と笑った。そして一言。


「オレは 吸血鬼 だよ」


その単語は驚く程すんなり私の頭の中に入ってきて。そしてああやっぱり。と私は心のどこかで思ったのだ。