001 La fortuna e cleca

運 命 は き ま ぐ れ だ









「ったく、体ダルイわ頭痛いわツァンベルンの補習食らうわで本っ当今日は最悪、」


そう愚痴を零しながら廊下を歩くのはリウだ。はあ、と溜め息を吐いてずきずきと痛む頭を押さえる。元から陶器のように白い肌を持つリウであったが、今の彼の顔色は蒼白に近かった。それは元々リウの身体が弱いということもあるが、プラスもう一つの理由がある。その理由のせいでリウの身体は言うことをきかず、鉛のように重い。それを解消する術はたった一つなのだがリウにはその勇気がなかった。シャバックは平気で行っているらしいがリウにはどうしても出来ない。ヘタレ!と散々シャバックには馬鹿にされるが、それでも!人の血を飲む行為など怖くてできるはずがなかったのだ・・・まった本当に生きていくには不便だ。この吸血鬼と生き物は!本当に。


「(血を飲むって考えただけでも、気持ちが悪くなる・・・)」


人の血が自分の体内に入る?考えただけでも気分が悪くなる。リウは自分の面倒な体質に溜め息を一つ。この身体のおかげで満足に学校に来ることも出来ないのだ。それがとても面倒臭いことこの上ない。同族であり教師でもあるツァンベルンのフォローによって何とか単位は取れているが、(補習という形によって、だ)それでも。面倒臭い。はあ、ともう一度リウが溜め息を吐きそうになった―――――その時。  
ふわりと漂う、甘い薫り 。



「・・なんだこの匂い、」



まるで熟れた果実のような香ばしい。甘い薫りが鼻をくすぐって。その薫りを嗅いでしまったら。もうリウの思考は停止をしてしまい。リウの意志に関係なく、ふらり、と足は自然とその匂いの元へと、確実に動き出したのだ。