ドリーム小説
たった一言が 言えない
「語学留学?」
「そー」
「…誰が?」
「俺しかいないでショ!?」
以前から希望していた海外への留学
それは単純に語学にも興味があったから、だから本場に行って勉強をしたいという気持ちがあるからだけど
でも、もしかしたら自分には日本は合わないかもしれないってそう思う自分がいて
別に日本が嫌いというわけじゃないけれど日本の感覚に戸惑ってしまう自分がいたから
だから、今以上に自分が本気になるためには、海外へ行くしかないって思った。
「へーぇ、頑張って」
「…お前さぁ、他に言うことはないワケ?」
あまりにもあっさりとしたメッセージを贈る山下智久に仁は思わず眉を潜める
「じゃ、仁!俺を置いて行かないで…!!って言って欲しいとでも?」
「…キモイ」
「でしょ?俺はそんなキャラじゃないし、それに」
俺が何を言っても、仁の中ではもう答えが出てるんだから、無駄じゃん?
お前頑固じゃん、とケラケラと携帯越しに聴こえてくる山Pの笑い声に、ふ、と頬を緩めて、分かってんじゃん、と一言。
寂しくなるな、とか一言でも言ってくれてもいいのに、と最初は思ったけれど
でもそんなことこいつは言わないヤツだったとすぐに思い直して、仁は苦笑いをした
「んで?言ったの?」
「…何を?」
「分かってるくせに〜」
頭の切れる親友を持つ者じゃない、と仁は舌打ちしながらつくづくと思った
「言ったら、泣いちゃうかもね」
本当に、いつもいつも、核心を突いてくる人間だと
「ねえ、泣かれたら仁はどうするの?」
誰が泣く、なんてことは言葉を通わす必要などないほど分かりきったことで
「ーーちゃんに泣かれたら、仁は、どうするつもり?」
心に突き刺さる親友の言葉に仁は唇を噛み締めた
前から出ていた留学の話
それを今日まで先延ばしにしてまで言わなかったのは、自分の中で恐れていることがあったからだ
それは、多分
「――俺、は」
何よりも恐れていることがある
それは
泣かれることよりも
待てないと、言われること
Wait for me