ドリー夢小説

 
  夢なのか、現なのか分からない
  
  まるで幻想的な世界だった

  
  常に感じていた息苦しさや苛立ちが何も感じられない

  そこだけがまるで別世界だった

  そこだけがまるで、壬生が纏う雰囲気とは、異なっていた


  ひらり ひらりと舞う桜

  その桜に戯れるように吹く風

  視界は、白

  その中で漆黒の黒が舞っていた


  少女が桜の木の下で踊っている

  手には薄紅色の扇を持ち、それは華麗に宙で踊っていた

  吹く風に合わせているかのように漆黒の髪が舞い、惹かれているかのように桜の花びらも舞う

  なんて、幻想的な世界

  
  これは現か、幻か 
   


  
 「誰?」




  空気に溶けるかのような透き通った声が紡がれた

  その声にはっと意識を戻せば、髪と同じ漆黒の瞳がこちらを見ていた


 「俺は、ほたる」



  サアッ、と風が大きく哭いた

  視界が白一色になる

  白の中に映える黒


  ドクン、と心臓が大きく鳴った







 「私は、よろしくね、ほたる」

  






    

  
  目が合って、堕ちた

  俺がお前に捕われた、瞬間

  

  なんて幸せなことなんだろう、と思った












 目 が 合 っ て 、 ち た