ドリー夢小説


  灯も何もない、闇がすべてを支配する部屋

  しかし、空に輝く満月の淡い光が二人を照らす、夜












          満月の下で輝く君は 僕にとって媚薬だった













  満月の光を浴びる君はあまりにも綺麗だった

  口から出てくるのは賞賛の言葉よりも感嘆の溜め息

  何とか行動で示したくて、淡く輝く青の髪に手を伸ばしてそっと一房を取る

  君は僕の行動を予測していたのか、いないのか、動じることなく、私の動作を髪と同じ青色の瞳で追う

  その冷静さを不意に崩したくなって、目は君から逸らさないまま、そっと青い髪に口付けた

  そうしてやっと君の白い頬が紅が差したような色になったとき、僕はくっと咽を鳴らして笑った

  
   
 「君は、可愛い人ですね」

 「どこをどう見たらそう見えると?」


  
  ああ言えばこう言うこの口を自らの口で塞いでしまおうか

  そう思ったけれど、実行した後のことを考えて今は止めておこうと思った

  

 「どこへ行くんですか?」


 
  自分の問いに答えず、ただ笑うだけの僕に感が障ったのか、君はするりと立ち上がった

  それに合わせて髪もさらりと僕の手の拘束を抜け出す




 「別に、どこでもいいじゃないですか」

 「逃がしませんよ」

 「弁慶さ、」



  逃がしてなるものか、と舌で己の唇を舐める

  まるで、狼のようだと思う

  ここで君を手放す程、僕は優しい男ではないことを君は充分承知しているでしょう


  
 「どうして」

 「どうして?それは愚問でしょう、さん」








  満月の下で輝く君は、僕にとっては媚薬だった、ただそれだけのこと

  その媚薬を飲んだ僕は、ただの欲情にかられる、男となる


  











(満月の雫は媚薬、という題名を聞いてこんな話を思い付いた私を笑って下さい…)