「ひのえ、だっこ、だっこ!」
「ふふ、本当に桜桃は甘えん坊だね、」
父親譲りの髪。まるで金糸のように滑らかな髪に手を滑らせ、そのままくしゃくしゃとかき回したら。桜桃は「ひのえ、や!」
と嫌がる素振りをみせながらも、嬉しそうに笑った。見目は弁慶に似ていると誰もが口を揃えて言う。しかし、その琥珀のような瞳の色と、桜桃の性格は間違いなくに似ているとヒノエは思う。例えば、口では非難の声をあげているくせに、その表情は嬉しさを隠しきれていなかったり、というところが特に。(主にそれは弁慶に対してよく現れているのだが、)
「ひのえ、ん!」
「仰せのままに、姫君」
小さな体躯をそっと抱き上げると、桜桃は「きゃあ!」と楽しそうに笑う。ほら、やっぱり笑った顔がそっくりだ。
「・・・、やっぱり、桜桃はにそっくりだね、」
「みんな、弁慶さん似だって言うけどね」
「見た目はね、でも、中身はにそっくりだ、」
「ふふ、そんなことを言ってくれるのはヒノエだけよ、」
「・・・あー、ねえ、桜桃はオレが嫁に貰ってもいいかい?」
「・・・、それ、まったく同じ台詞を弁慶さんに言える?」
「・・・、言えないね」
「ほら、」
「ひのえ、よめ、ってなあに?」
「・・・ん?ああ、桜桃が可愛いってことさ、」
「ゆすら、かわいいの?」
「ああ、とっても」
「もーヒノエ、桜桃に変なこと教えないでちょうだい・・・」
甘やかさないで。なんて、、お前はいつも困った顔をして笑うけれど。でも、それは無理な話。だって、お前とまったく同じ笑顔で甘えられてしまったら、応えないわけにはいかないじゃないか。 ―――――― なんて、ね。
きらきらひかる
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