最近の桜桃のお気に入りは。彼女が生まれる前に将臣が持ってきら動物の木彫り。側でみると桜桃がそれで遊んでいる様子は大層可愛らしいものだけれど。でもそれが気にいらない男がたった一人だけいたの。





「・・・さん、」
「なあに、弁慶さん」
「先ほどからあそこの隅でうずくまっている物体は何ですか、鬱陶しくてたまらないのですが」
「・・・分かってるくせに」
「まあ・・考えるまでもなく分かりますが、一応念のためにも確認を」
「・・・源氏軍の総大将って言ったら分かるかしら、」
「これは驚いた、!」
「弁慶さん・・・」
「だってさん、毎日こうも家に陰気な雰囲気を持ち込まれれば文句の一つでも言いたくなりますよ、」
「それは・・そうなんだけど、」
「・・・落ち込んでいる理由は大体想像つきますし、」
「あはは・・・」
「・・・桜桃でしょう?」
「うん・・・将臣が作ってくれた木のおもちゃが気に入っちゃって、」
「九郎が作った木彫りには興味を持たないってところですか・・・」
「だって九郎さんってば桜桃が分からないものばかり作ってくるんだもの、」
「・・・何を作ってきたんですか、」
「四神、」
「・・・阿呆ですか、あの男は」
「しかも四体全部揃ってたの、」
「最近やけに自室に籠っていると思ったらそんなことしてたんですか・・・、」
「凄いのよ、細かいところまでよくできてたんだから、」
「それでも桜桃はまだ幼いんですから、四神なんて言われても分からないでしょうに、」
「ふふ、よっぽど将臣に対抗したかったのね、」
「最近よく懐いていますからね・・・」
「桜桃と一緒に遊びたいのよ、九郎さんも」
「まったく素直にそう言えばいいものを、」
「ほら、変なところで意地っ張りだから、」
「まあそれが九郎の長所でもあり、短所でもあるんでしょうが」
「でもそれをフォローするのが軍師の役目でしょう?」
「・・・参ったな」
「お願いします、旦那さま」




だって、このままじゃ九郎さん可哀想だわ。の言葉に弁慶は大げさに溜め息を一つ吐いた。








きらきらひかる







「・・・九郎、」
「あ、弁慶・・・」
「邪魔です、」
「・・・・・!!!!!!?」
「(フォローになってない・・・)」