「桜桃は本当ににそっくりだね、」
「そう?みんなは弁慶さん似だって言うけれど、」
「見た目はね、でも中身はにそっくりだ、」
「自分じゃ分からないけど・・・ヒノエがそう言うのならそうかもしれないわね、」


はふふ、と柔和に微笑んだ。瞳以外の見目はアイツに似ている桜桃だけれど、笑った顔はにそっくりだとヒノエ思う。譲りの蒼目でをじっと見つめてくる桜桃。このあどけない表情が本当ににそっくりで、見るだびに微笑ましい気持ちになる。頭をそっと撫でてやると嬉しそうに笑って、少しでも力を込めれば壊れてしまいそうな、小さな小さな手を目一杯伸ばしてきたものだから、頬が自然と緩んでしまうのは致し方のないこと。その手を包むようにそっと握れば、桜桃は嬉しそうに声を上げて笑う。しかし、それだけは物足りなかったのか。桜桃は空いている方の手でそっとヒノエの頬に触れて。何度も何度も。その頬の柔らかさを楽しむように。感触を楽しむかのように、触れた。 その様子に。 「・・・ オレを誘っているのかい?   桜桃  、  」  きっと意味は分からないだろうけれど。思わずそう聞かずにはいられなくて。桜桃の蒼目をじっと覗き込めば。桜桃もまたじいっとヒノエの瞳を見返した。そして瞬きを一つした後に。   「  あーぅ、 」と花が綻んだようにように。顔いっぱいに笑顔を浮かべてヒノエに向けて笑ったものだから。


「・・・・ 参ったな 、本当に、そっくりじゃないか、 」
「・・・・ ヒノエ、?」


本当にに似ている。ヒノエは苦笑いをせずにはいられなかった。すべてを包み込むようなあの優しい眼差しや。こちらが面白いくらいにころころと変わる表情や。あどけない笑顔すべてが。きっと桜桃は母親に似てさぞ愛らしい少女になるに違いない。そしてかつて自分がに対してそうであったように。この先何人もの人間がこの少女に惹かれていくのだろう、とヒノエは思う。   ・・・・・・・・ああ、本当に。   アイツの気苦労が目に見えて浮かんできて。ヒノエはくくっと喉を鳴らしたのだった。








きらきらひかる










「・・・・ヒノエが桜桃を抱いているのを見ると、」
「うん?」
「何だか源氏物語を想像させるわよねえ、」
「・・・・ お望みとあらば、」
「 冗談です! 」