|
双子とは本当に不思議なもので。私と将臣は幼い頃からお互いの感情を共有していた。自分の意志に関係なく、相手の感情がまるで水のようにさらさらと流れ込んでくる。私たちが星の一族の力を受け継いでいるからなのか、それは分からない。けれど、お互いの感情が伝染しあう。時折、この気持ちは私のものなのか、それとも兄のものなのかと困惑してしまうくらいに、とめどなく、溢れてくるのだ。だから、そう、あの時も。「、なんか胃の中がぐるぐるして気持ち悪ぃんだけど、」と顔を薄らと青くしながら将臣は言った。お腹を摩りながらけだるそうに柱にもたれ掛かっている兄の姿に、こんなことまで伝染しあうものなのか、とああ本当に双子って、と心底呆れたくなった。「…食べ過ぎだのか、お前」と恨めしそうな視線で私を見やる将臣に、こっちの気持ちも知らないで、と頭を思いきりパシン、と叩いた。 「イッ…!! オイ、!! 」 「………… 赤ちゃんが、 できたの、」 「 は!? 」 「だから、ここに、赤ちゃんができたの、私とあの人の子どもが」 「…… マジ?」 「うん、そう、マジ」 マジかよ…、と将臣はゆっくりと腕を伸ばして、少し躊躇いながらも私のお腹に触れた。そっかー、と何度も私のお腹を撫でるその手つきがあまりにも優しくて、何だか無償に照れくさくなって、俯いた。将臣は「、 」と私の名前を呼んで、そしてまるで壊れ物を扱うような動作で、そっと私を抱きしめた。さらさら。さらさら。兄が私に触れた途端に、何かが私に流れ出す。胸の内をぐるぐると回って、息が詰まった。苦しくて、何だか胸がきゅう、と締め付けられて、涙が出そうになった。ああ、これは、きっと。 「…… 将臣、」 「………… ん?」 「… 寂しい?」 「…なんで、」 「 何となく、そう思ったの 」 だって私たち、双子だもの。将臣のことなら何でも分かるのよ。くすくすくす、と声を漏らして笑えば、将臣ははあ、と諦めたように溜め息を吐いて私の肩に顔を埋めたのだ。 きらきらひかる それからしばらくして、私のお腹はふっくらとふくらみ始めた。「きっとに似て可愛いんだろうな〜」と頬を緩ます将臣を見て、もしかしたら、子どもが出来たと聞いて喜んだのは、夫よりも兄の方かもしれないと、苦笑いをした。 |