きらきらひかる










予定日はいつなの?と聞けば、まだあともう少し先なんですとちゃんが頬をうっすらと染めてはにかみながら言った。その甘くてとろけそうな笑顔に、彼女が今幸せであるということがしっかりと伝わってきて、安堵の溜め息を吐く。


「でも、油断は禁物だからね、あまり、無理はしないで」
「もう、景時さんまで…みんな心配しすぎなのよ」


過保護なんだから、あたしなら大丈夫なのにと彼女は眉毛を八の字に寄せて、困ったように微笑んだ。パンッと乾いた音がした瞬間に、ふわりと石鹸の匂いが鼻をくすぐった。そう言えばいつも、弁慶の着物からはいい匂いがするなあ、と鼻唄を歌いながら洗濯物を干すちゃんの後ろ姿をぼうっと見やる。もう一度パンッという音が空気を震わせた。淡い紫苑の色をした小袖。弁慶のものだ。それを手にした瞬間にちゃんは照れくさそうに目を細めて笑った。その甘くて柔らかな横顔に何だか無償に照れくさくなる。


「ねえ、ちゃん」
「はい?」
「今…―――――――――――――幸せ?」


分かりきったこと。でも君の口から直接に。
え、と驚いたようにくりくりとした大きな蒼い目が僕を見つめる。一瞬の間の後。ちゃんの表情は緩やかに変化して至極嬉しそうに、嬉しそうに。もちろん、ととただ一言。しかし、はっきりとした口調で、ちゃんは微笑んだ。その笑顔にたまらなく安堵して。







きらきらひかる






ねえ景時さん、この子が生まれたら、あの浜辺でまた皆で花火したいな、と悪戯を思い浮かべた子どものように至極楽しそうに笑うちゃんに、可笑しそうに頷く。そして数カ月後の夜空に咲くであろう大輪の花に、思いを馳せた。