きらきらひかる










はどっちだと思うんだい?」
「そうね、出来れば女の子であって欲しいけど」
「何故?」
「だって、ヒノエみたいになったら困るもの」


ただでさえ厄介な性格の持ち主がうちにはいるんだから、とは朗らかに笑った。すっかり大きく張った自分のお腹を撫でる彼女の笑みは今にもとけそうなほど柔らかく、そして甘い。慈しむような手つき。その< 掌に数ヶ月前まで刀が握られていたなんて、誰が予想するだろう。頬をうっすらと染めながら大切そうに自身のお腹を撫でる彼女の顔は立派な母親の顔だった。ころころと変わる豊かな表情や見ているこっちが微笑ましくなるほどあどけない笑顔を浮かべていたあの頃とはまったく違う、美しい母親の顔。さなぎから蝶へと羽化したかのように、彼女はとても綺麗になった。こんな素敵な女性が妻で、まして生まれてくる子が女の子であれば、彼の気苦労が目に浮かんでヒノエはくくっと喉を鳴らす。


「…ねえ、ヒノエ」
「うん?」
「生まれたら、抱っこしてあげてね」


さっきからね、この子、お腹を蹴ってばかりいるの。きっと早くヒノエに会いたいのね。さも当然のようには目を細めて言った。瞳を大きく開いて瞬きを繰り返す。余程間抜けな顔をしていたのか、はくすくすと笑いながら、ヒノエ、触ってあげてくれる?と柔らかな笑顔を浮かべた。







きらきらひかる






遠慮がちにそっと手をあてると、とくん、と手が波打った。