ドリーム小説
「九郎さん、眠れないの、どうしよう」
だから付き合って、とは朗らかにそして簡単に言ってのけた
年頃の若い娘が、夜更けに男の部屋を訪れるなんて非常識なことこの上ないと九郎は思う
寝間着を身に纏っている姿は無防備としか言い様がなく
男によりけりではあるが、誤解されても仕方なのない身なりにまずは一言言わなければ気が済まなくて九郎は口を開いた
――けれども
「さん、僕で良ければ話相手になりますよ」
なんの躊躇いもなく、部屋に招き入れる自分の軍師に九郎は軽い目眩を覚えた
「――変な気を起こさないでしょうね、弁慶さん」
「お言葉ですがさん、その様な格好でおっしゃる台詞ではないかと」
「それはそうだけど、でも九郎さんなら大丈夫だっていう確信があったの」
「ああ確かに、九郎はこの通り生真面目で堅物な人間ですからねえ」
「でしょう?」
これがヒノエ君だったらって考えると恐ろしくて想像も出来ないわ、とは身体を摩る
ヒノエに対する暴言に九郎は顔を顰めた、がしかし、きっぱりと否定することも出来ないことに気付き非難しかけた口を閉じて
――すまないヒノエ、と心の内で謝る
「ほら、九郎さんも一緒にお話しよう?」
くいくい、と袖を引っ張って話をせがむの眼差しは、自分を信頼しきっていて
全幅の信頼を得ているのは嬉しい、けれどもそれは堅物と認識されている上に男として見られていないということで、九郎は溜め息を吐いた――何だかつまらない、と
しかし、別の男の所に行くよりは自分の元へ来て欲しいという思うことも確かだった――大事な大事な妹弟子をそう易々と手放してなるものか、と
「九郎さーん」
「ああもう分かったから袖を引っ張るな!」
まったくお前は、と口では文句を言っているけども
それでもそこはかとなく優越感を感じてしまうのは
結局のところ、自分はに甘いということなのだ
――取りあえず、自分とのやり取りを微笑ましく傍観しているけども、目がまったく笑っていない弁慶をどうにかしようと九郎は思った
きらびやかな夜に愛をつめこんで