どうして。  目の前で笑っている少女に、は頭を抱えたくなった。なぜ、この場所にいるの。もう、二度と会うことはないと、そう思っていたのに。 どうして。  団長を殺してしまった犯人として処せられた自分。それはもうどうにもならないことだと、審判の結果を伝えにやってきたカタリナの表情を見て悟った。自分は殺してなどいない。そう声を大にして叫んだところでもう、何を言っても届かないのだと。     だから、流刑になったと告げなかったのに。     カタリナと同じように。まるで信じられないモノを見るかのような瞳で、見られたくなかったから。 彼女だけは分かってくれる。 心のどこかでそう淡く期待していても、それでも彼女と別れの挨拶をすることはできなかった。自分と同じように、まるで父のように団長を慕っていた彼女。愛おしくて愛おしくて。何よりも大切な幼なじみ。 その彼女が、カタリナのように、憎悪を含ませた瞳で、自分を映すのではないかと思うと、怖くてたまらなかった。 だから、自分はには何も言わずに出てきたのだ。そう、その、はずだった。 それなのに、一体、どうして。 どうして。 どうして。


「ごめんね、、」


今にも泣きそうな声色で、彼女、は微笑んだ。手を伸ばして掴んだ指先は温かい。が、ここにいる。幻じゃない。本物の。  。 指先の温かさに、息が詰まるほど泣きたくなった。必死に歯を食いしばって耐える。 、と声が呼ぶ。握らなかった方の手が、戸惑いがちに頬を撫でて。  、 。   の目が伏せられた。 そしてもう一度、ごめん、と呟いた。


がわたしの側からいなくなるなんて、考えられないの」


罵ってくれてもかまわない。わたしを嫌いになっても、かまわないから。これだけは譲れなかった。 ぽたり、 手のひらに、雫が零れるのを感じながら、は固く目を閉じて震えた。


「・・・・ の側にいたい、」


もう一度歯を食いしばってから、の薄い身体を引き寄せて抱きしめた。 ごめんね。 も震える声で呟く。 僕も、が側にいなくなるなんて、考えられない。 だから、 ごめんね、 もう一度呟いた。だってもう。彼女をどうしたって手放せないことを再確認してしまったから。 本当に、ごめん。 の手が遠慮がちにの背中に回された。 何度謝っても、もう無理みたい。 君のいない世界で生きようと思った。でもね、やっぱり。 は抱きしめる腕にそっと力を込めた。

 






(今はこのぬくもりに酔いしれていたい、)











やっぱり、君のいない世界なんて、考えられなかったよ。 









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