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「・・・のそのおまんじゅう美味しそう」 「ん、」 本当にそこにいることが当然なように。は自然な動作での隣に座った。そして、自身もそれが当たり前のように受け入れて、自身が今まさに食べていたまんじゅうを小さく千切っての口の中に放り込む。もがそうすることを分かっていたかのように。彼女がまんじゅうを自分の口に入れる数秒前から口を開けて待っていた。 「あ、美味しい」 「でしょ?パムさんの新作のおまんじゅうだよ、」 「へー・・・」 はが持っていたまんじゅうを取り上げて、小さく千切ると、今度はの口に運んだ。はそれをぱくり、と食べて。 うん、やっぱり美味しい。 と朗らかに笑う。当たり前のように繰り返されるやり取りに、同じガイエン騎士団の仲間達は、それが見慣れた光景だと言わんばかりに、苦笑いを一つ。ただ、つい最近この船に乗ったばかりのテッドだけは、とのやり取りに顔を赤くさせたり青くさせたりと慌ただしくしていたが。こんなものに慣れてたまるか! テッドはいつもそう思う。 「あ、そうだ、」 「分かってる、モルド島に行くんでしょ?」 「・・・うん、」 「お金稼いでおかないとだもんね、これからまた忙しくなりそうだし、」 その会話をやり取りしているときでさえも。がカップに継ぎ足した紅茶を、そっと自分の口に運べば。 「うん、だからきちんと準備しておかなきゃって思って、」 「あ、だったら、」 「そう、この間手に入れた青磁の壷を売ろうかと思うんだ、」 そのカップを持っているの腕を引いては同じように自分の口に運び、ごくり、と喉を震わせて一口飲んだ。 「・・・ ちょっと強請ればく買い取ってくれるかな、」 「え、」 「ふふ、冗談だよ」 その当たり前のように繰り返されるやり取りに、テッドは頭痛がした。ここで声を大にして 「何をしているんだお前らは!」 と怒鳴っても。彼らは、何を怒っているの、と問うに違いない。そう、それも声を揃わせて。 きょとん、と首を傾げながら、きっと。 何だかその光景が自然と脳裏に浮かんで、テッドは喉元まででかかった言葉を飲み込んだ。 我慢だ、俺。 気持ちを落ち着かせようとテッドは目を伏せた。そう、我慢だ。そんなことをしようものなら俺のストレスが溜まるだけだ。 自分が損するに決まってる。テッドは自分にそう言い聞かせて、大きく深呼吸を一つ。落ち着け、落ち着け自分。息を深く吸って吐いて。そうしてそっと目を開けると。そこに飛び込んできた光景は。 「、ここに食べカスがついてる、」 がの口端についたまんじゅうの食べカスを、舌先で器用に舐め取っている姿で。その光景を目にした瞬間、テッドは自分の中で ぶちり、 と何かが切れた気がした。 「お、お前らいい加減にしろおおおおおお!!!!!!!!」 「「何を怒っているの、テッド」」 「・・・・・・!!(なんで予想通りの受け答えをするんだよこの二人は・・!!!!) ああもう俺は悟った。テッドはそう確信した。きっとこの二人はこれから先も変わらないのだろう。そう、きっと死が二人を分つまで決して。それが何だかひどく滑稽なようで、しかし、どこか胸が温かくなるのは、自分の気のせいなのだろうか。 |
羨ましいとは、口が裂けたって言えっこないけど