「・・・・ 王子さん、」
「・・・・ なに、ロイ、」
「・・・・ 、 アレ   どうしたわけ?」
「・・・・ ああ、  アレ   ね  、」




顔を引きつらせながらロイが指を向けたそこには。いつも周りに花を飛ばしているような。そんなおめでたい雰囲気など微塵も感じられない。無心になってモンスターに剣を振るうリヒャルトの姿。いつもの  「ほほほーい 」 とか  「ミューラーさーん見てる〜?」  といった相手を嘗めきっているとしか思えないようなお決まり文句も、今日はなく。まるでリヒャルト自身が 無 であるかのように。その表情からは感情すらみられず。その鮮やかな剣さばきで次々と敵を倒していく姿はまるで剣鬼そのもので。いつもと様子が違うその姿に、背筋が ぞくり  と一瞬震えたけれど。でも、それ以上に今日は呆れにも似た溜め息を吐かずにはいられなかった。     え?  理由?    ・・・そんなの一つしか考えられないでしょ?   


「・・・ ストレスがたまってるんじゃない、のかなあ」
「ハア? ストレス? なんの?」
「・・・ にね、禁止令を出されたらしくて、」
「きんしれい?」
「そう、しばらく自分に近づくなっていう、ね」
「あー・・・ナルホド、」
「まあリヒャルトの場合、自業自得なんだけどね、」
「どーせリヒャルトのことだから、に無理矢理キスでもしようとして嫌われたっていうオチ 「 ロイ ー、 ? 何か言った?」 ・・・スイマセン 、」



ニッコリ、と効果音がつきそうなほど。柔和に微笑むリヒャルトには違和感を感じずにはいられなくて。また  「 ハア、 」 と溜め息を一つ。   ・・・これはこれは。どうやら思った以上に。







きみ不足が深刻です