目が合うなり彼は「 ふふ、 」と心底愉快そうに笑っていた。今、何が起きたのだろう?気が付いたら。すべてが終わっていた。そんな感覚だった。それは瞬きをする暇さえなく。何とも不思議な感覚で。  「 、 」  リヒャルトさん、いや、リヒャルトの柔和な声色が鼓膜を震わせて、「 なに ? 」  と振り返った瞬間。  何かが唇に優しくぶつかった気がしたのは。 気のせい  ? 



「・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・ え 、」
「・・・・・・・・・・・・ ふふ、」
「・・・・・・・・・・・・リ、リヒャルトさ、」
、名前!」
「リ、リヒャルト、今、貴方 なに、を・・・・・・!」
「うん?何って キス だけど ?」
「え? は ? キス って え、 ええええええ?」
「わは!ってば顔が真っ赤!」
「な、」
「な?」」
「な んで、こんな こと、」
「んー?それはね、」



「 キスして欲しそうな、顔してたから 」さも当然のようにリヒャルトは言葉を紡いで。悲しいやら腹立たしいやら。「 し、してない よ 」なんて咄嗟に発した言葉は有り得ない程震えていて、緊張が明らかに彼に伝わってしまったことは明白。 リヒャルトとの 始めての、キス 。 恥ずかしさの余り、俯いてしまったけれど。 「 ねえ  」 その少し掠れた柔和な声色は。まるで甘美な毒のように。いつも私を狂わせる。



「 おいで 、」 





相当侵食されていると思う、心の奥底まで


(それも いいかもしれない)