「ねえ知ってる?」
「何を?」
「僕が一番嫌いなのは他人の物語のハッピーエンドだってこと。」
「・・・王子さんってほんっとSだよねえ」
「リヒャルトに言われたくない」
「ひどーい!」
「僕のことはどうでもいいよ、とはどうなの?上手くいってるの?」
「ううん?別に普通だけど、」
「普通?普通ってなに?」
「えーと、一緒にごはん食べたり、散歩したりー・・・」
「そういうことじゃなくて、恋人らしいことはしてるのかってこと!」
「ううん?恋人らしいことってどんなこと?」
「例えばー・・・キスをするとかー・・・」
「・・・・キス、ねー、」
「・・・うわ、何いまのリヒャルトの顔」
「うん?」
「・・・まさか、良からぬことを考えているんじゃないだろうね、」
「良からぬこと?考えてないよ、考えてるのはあ、ちょっと時間がかかるかなあってこと、」
「時間?」
「そう、を僕色に染めるのにもう少し時間がかかるかなあってことだよ、」


だから、キスはまだ出来ないなって思ってたんだけど。ちょっと気が変わったかな。もうそろそろ次のステップに進みたいなあって思っちゃった。あんまりにもの態度が初々しくてしばらくこのままでもいいかなって思ってたんだけど。でも、もうそろそろ。僕の限界かなあ。だってね。僕ね、もっとに触れたいんだ。



嬉々として語るリヒャルトの頭に、の拳が落ちるまであと五秒。







かくして舞台は妄想される