ドリーム小説

 
  デュナンのほぼ中心部にある巨大な湖のほとりに新都市同盟の本拠地が有る

  攻めにくく、尚且つ敵からの侵入が防ぎやすいといった抜群のセンスを持つこの城は本拠地として郡を抜いているだろう


   「ぎゃあああああああ!!!」


  その古城に太陽が顔を出し、人々が行動を開始する時間となった時分、若い男の叫び声が響いた

  かといって、慌てる人もなく敵衆かと叫ぶ人もなく、城に住まう人々は特に何も気にすることなく

  ああまたか、と心に思いながら人々は行動を続けた


 「ははは、ちょっとシーナってば、そんなに逃げてばかりじゃ訓練にならないよ?」

 「どこが訓練だ!ソウルイータ−を発動させて、お前俺のことを殺す気満々じゃん!」

 「失礼な、これは紋章の攻撃をいかに早くそして的確に避けるかによって敏捷な行動が培われるというとても合理的な訓練じゃないか」

 「なら言うけどな!何でさっきからレベル4の魔法ばっかり使ってくるんだよ!?こんなんじゃ避けるものも避けられないって!」

 「愛故だよ、シーナ」

 「俺が死んでもいいのか!」

 「死んでしまったらそこまでの男だったというわけさ」

 「鬼…!!一体俺が何したっていうんだよ!?」

 「それを自分で言うんだ?いいよ、じっくりと分からせてあげるから」



  流石に、元貴族といったところだろうか

  社交的な人の良さそうな笑みを浮かべながらが右手にはめていた手袋を取った
  
  手の功にくっきりと浮かび上がるそソウルイータ−を携えながら微笑むはシーナから見れば死神以外の何者でもない




 「さあ、訓練再開だよ、シーナ」

 「や、ちょ、まっ」

 「待たない」


  当然、シーナの願いは聞き入れてもらえるわけでなく、新同盟軍の本拠地には本日二度目となる叫び声が響き渡った


  

  

  





 「――終わったの?」

 
  離れた木の下で静かに傍観していたルックは読んでいた分厚い魔法書をパタンと閉じてロイを見上げた

  
 「終わったよ、は?」

 「まだ寝てる」


  ルックの隣には彼の肩に頭を乗せ、身体に寄り掛かりながらすやすやと安らかな寝息をたてている少女が一人

  まったく僕の肩を枕にするなんて良い度胸だよね、と悪態を吐くルックであったが彼女に向ける眼差しは見た者がいれば驚いて口をぽかんと開けてしまう程優しいもので
  
  こんなに騒がしい環境にも関わらずよく眠っていられるものだと、は苦笑いをしながらの艶のある滑らかな髪を優しく撫でた
 

 「あー!ちょっともう、さん!これ以上城を壊さないで下さいって言ったじゃないですかー!シュウに嫌味を言われるのは僕なんですからね!」

 
  突如として聞こえた朗らかな声色はこの本拠地の主、つまり新同盟軍のリーダーでもあるであった


 「そこでシーナが死んだように倒れているのを見かけたんですけど何かあったんですか…っと」


  の側まで来て初めてが眠っていることに気付き、慌てて口を押さえた

  の声を聞いて、口に人さし指をあてながら静かに、というポーズをしながら振り向いたこともあるのだが


 「寝てる、んですか?さん」

 「見れば分かるでしょ、そんなことも分からなくなったのかい君の頭は」

 「僕は至って正常だよ、ルック…ああ、成る程、大体状況は飲み込めました」



  シーナのことだから、さんの寝込みを襲うとしたんでしょ?とはへらりと笑いながら言う

  シーナという名前の単語を聞いてルックはぴくりと眉を寄せた

  ルックの顔が強張ったのを見逃さなかったはああやっぱり、と心の中で確信をする



 「相変わらず命知らずだなぁ、シーナは」

 「だろう?最初に見つけたのはルックでね、まったく驚いたよ、いきなり”切り裂き!”って叫ぶんだから」

 「それを言うなら君だって同じだろう、シーナの馬鹿とが視界に入った途端にソウルイータ−を発動させたのは誰かな?」

 「だって可愛い可愛い俺の幼馴染みであるがどこぞの馬の骨とも分からぬ輩に襲われようとしているのを見れば誰だって冷静でいられるわけないじゃないか」

 「うわ、とても三年前に共に戦った仲間への台詞とは思えない発言ですね!」


  
  シーナを哀れだと可哀想だと言う者はここには誰もいなかった、そして、二人の真の紋章を食らって傷付いている彼を癒そうとする者は誰も

  いるとすればこの騒ぎにも関わらず今だ夢の中を彷徨う少女ぐらいなのだが、彼女は一向に目を覚まそうとしないので期待するだけ無駄というものだった



 「まあシーナなら大丈夫だと思いますけど、あのレパント大統領の息子ですし」

 「元よりシーナを心配する気などこれっぽちもないけどね、あいつの場合は自業自得なんだから…それよりルック」



  組んでいた腕を解いて、が寄り掛かっていない方の肩をポンと叩いた



 「いつまでそうしているつもり?早くから離れてよ」

 「不可抗力だよ、これは」

  
  不可抗力だと言っている割には、の腰にはルックの片腕がしっかりと巻かれていた、当然それを見逃すではなく
  


 「別に難しいことを言っているわけじゃないだろう?ただ今のお前のポジションを俺に代われと言っているだけなんだから」

 「却下」

 「ほほう、まったくもっていい度胸だ」

 「二人とも、喧嘩をするなら被害は細小でお願いしますねー」



  止めるどころかむしろ二人の様子を見ながら楽しんでいる様子のは、この間にどうやって自分の軍師に言い訳をしようとかと真っ青な空に考えをめぐらることにした

 
    
 



  金平糖プレリュード





  騒ぎに気付き、目を覚ましたによって、正座をさせられ怒鳴られてるトランの英雄と魔導師の姿があったとかないとか

  そしていかにも今気付きました、というようにシーナに駆け寄り、輝く盾の紋章を発動させるの姿があったとか、ないとか