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『お嬢さん、僕に溺れてみませんか』 その台詞が頭をぐるぐると回る。リヒャルトの声色がいつまでも鼓膜を震わせていて、脳内に染み渡る。普段の穏やかにな口調からは想像できない、彼の鮮やかな剣さばきに目を奪われてしまったのは確かだけども。それをまるで見越していたかのようなあの台詞。あれは、反則だわ。自分の胸中を悟られた気がして、恥ずかしいとは火照る頬を紛らわすかのように頭を振り、ロイの治療に集中する。が、しかし。 「イテェエエエエ!!!!!」 「え、」 「煩いよ、ロイ、治療中くらい静かにしたらどうなの、」 「俺のせいじゃねーよ!だ!コイツ、傷口にもろに消毒液をかけやがって…!」 「ご、ごめん、ぼーっとしてて…」 「……珍しいね、が治療中に考え事をするなんて、」 何か、あったの? 俯くの目線に合わせるようにはしゃがみ込む。嫌でも教えてもらうけどね。の青瞳がそうに囁きかけていた。 「…別に、なにも」 は視線をから逸らして、そう吐き捨てる。そして、中断していたロイの治療に意識を傾けた。 「ふーん……まぁ、いいけど、どうせリヒャルトのことだろうし、」 「…っ!」 バシャッ!! 「……っっっっっっっ!!!!!!」 「なななななななななななななんで…!!」 「あれ、当たりだった?適当に言ってみたつもりだったんだけど、」 僕ってやっぱりすごい、とへにゃりと顔を綻ばして笑うの顔には純真さのかけらも感じなかった。確信犯だ、コイツ。苦虫を潰したかのように顔を歪めるを見て、「女の子がそんな顔をするもんじゃな いよ、」とはぷふ、と吹き出す。 「…、この間の戦闘で、リヒャルトのこと好きになっちゃったでしょ、あれは殺し文句だもんねえ」 「ち、ちが…!」 「…と、言ってる割には顔が真っ赤だけど、」 別に隠さなくてもいいんじゃないの。 は呆れたように溜め息を吐いて、の頭を優しく撫でた。ドクン。ドクン。心臓の鼓動が全身を脈 打つ。 「ねえ、、」 の声ですら、遠くに感じるくらいに、波打つ。 「人を好きになるってさ、結構些細なことがきっかけだったりするんじゃない?」 ね? と上目遣い気味に笑うの台詞は、一瞬酸素を吸うことを忘れてしまうくらい、私の胸に刺さった。 |
私はどうやら恋をしているみたいです。
「俺の心配は誰もしねえのかよ!」「ごめんね、ロイ、だってこっちの方が面白そうだったんだ、」