ドリーム小説


  例えば、それは何かのワンシーンのように

  
 「…カイル、」


  彼のすらりと伸びた指が、まるで女性の体を愛撫しているかのような手つきで純白のシーツの上をゆっくりと動き

  それは、何かを求めているような、何かを探し求めているかのようなもので、とても自然な動作だった

  そう、彼が手を動かすのを止め、シーツを掴み、そしてそのまま自分の唇に持っていって、愛しそうにキスをする流れが、とてもとても


 「…つ…」

  
  咄嗟に体が動いて、私は部屋の前から離れた、これ以上カイルを見ていることに耐えられなくて

  理解していたはずなの、に

  あの人がいなくなってしまってから、彼女が使っていたこの部屋に貴方が何度も足を運んでいることも

  帰ってくるかもしてないという淡い思いを抱いて、夜な夜なこの部屋に訪れて待ち続けているということも

  この部屋で誰にも聞かれぬように、小さな声で、彼女の名前を、愛しそうに呼んでいることも


  全部、全部、知っていたはずなのに

  涙が溢れて止まらない、のは

   
    
 「カイ、ル…!」



  ほんの少しでも私のことを見てくれたら、、と優しく耳もとで囁いてくれたら、なんて願いは甘い幻想

  だって私は、あの人に恋する貴方に、恋をしたのだから



 好きすぎてまるでファナティックな信者みたい