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「転校生が来るの?」
「そう、それも二人。校内はこの話題で持ち切りだよ」
「僕もその噂を耳にしました、珍しいですよね、こんな時期に」
「ふーん・・・・、ねえ、それより律は?」
「部室に寄ってから来るそうですよ」
「そっか、律も大変だねえ」
「・・・・、さあ、」
「ん?」
「前から思ってたけど、の二言目には律の名前が出てくるよね」
「え、そう?自覚はないんだけど、」
「自覚なかったんですか・・・!」
昼食はいつも同じメンバーだ。わたしと、大地と、後輩のハルと、それから幼なじみの律の4人。4人ともオーケストラ部のメンバーだ。律とは幼なじみで小さい頃から兄弟同然で育っている。律の弟とそれからもう一人の女の子と一緒に。それにしても、そんなにわたしは律の名前を連呼しているのだろうか。律からも何も言われたことはないし、そんなに律律言っているつもりはないんだけど、と呟いたら、隣に座っていた大地に「妬けるなあ、」と溜め息を吐かれてしまった。
「・・・・すまない、遅くなった」
「律!お疲れさまー」
「遅かったな、律」
「部長、お疲れさまです」
「ああ、ありがとう」
他愛ない話をしながら食べていると、律がやってきた。その顔には疲れが浮かんでいて思わず大丈夫?と声をかける。どうやら学内選抜の準備がかなり忙しいようだ。隣に座った律が大丈夫だ、と苦笑いを一つ。
「ねえ律、」
「なんだ?」
「疲れているであろう律のために、ちゃんが腕によりをかけて作ってきました」
じゃーん!と袋から取り出したのはもう一つのお弁当箱。その中身をみた瞬間に律の顔が一瞬でぱっと明るくなった。お弁当の中身は律の大好物のなすのしぎ焼きと出し巻きたまご。きのこのサラダにからあげ。プラス鮭のおにぎり。早起きをして作ったどれも律の大好物ばかり。美味しそうに食べる律に心がふんわりと嬉しくなる。うん、やっぱり作ってきて正解だった。
「律、美味しい?」
「ああ、本当に美味い、ありがとう、」
「ふふ、嬉しい」
「ほんと、妬けるよなあ・・・なあ、ハル?」
「なっ・・・!ぼ、僕は別に・・・!」
「は律を贔屓にしすぎ、」
「だからそんなことないってば・・・何なら今日の夕飯作ってあげようか?大地の好きな豚の生姜焼き」
「え、本当に?」
「・・・・・・・」
「・・・・・・・、部長、顔が恐いです」
Pacato
(穏やかな、夏の一日)
「あ、ハルにも何か作ってあげるよ!」
「・・・ありがとうございます、先輩」
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